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試行錯誤は「ひらめきの種」になる。

出会えてよかった本 心にうかんだこと

2023年は挑戦が続いた1年でした。
カードリーディングを通じて、Blue Inspiration Cards®を介して、碧宮レイラと関わってくださったすべての皆様に御礼申し上げます。

さて、年の瀬の今日は、ひらめき=インスピレーション=天から降りてくるもの、という思い込みを持っている人や、試行錯誤がカッコ悪いとか無駄だと思っている人に向けて書いています。

これからの人生、大人だって、いい歳ぶっこいたって、試行錯誤しても良いんだぜ!行き詰まりは、ひらめきの前段階なんだぜ!試行錯誤は、ひらめきの種まきなんだぜ!認知科学の研究者の人が、本で言ってたよ!!と伝えたいのです。

私たちはどう学んでいるのかー創発から見る認知の変化

人は日々の生活を送り、その中でさまざまな経験を重ねることで、徐々に、あるいは突然に変化する。この認知的変化に働く無意識的なメカニズムとしての創発について書かれた本。
(無意識と言っても、フロイトの精神分析学のような意味ではなく、単に、意識的に気づかないという意味よ。)

・知識はそのまま身につくことはない
・ひらめきは突然生まれない
・思考力は安定しないものである
・練習しても簡単には上達しない

こういった、常々感じていたことが、研究者の言葉で書き表されていると、ちょっとした快感を覚える性質の私、Kindleがマーカーだらけになってしまったんですね。

この中でも、「ひらめきは突然生まれない」ということについて、少しだけ詳しくシェアしておきたいです。

「誰でもひらめきを得たいと考えているだろう。しかしそれはなかなか訪れない(すぐにわかればそれはひらめきとは呼ばないからだ)。ひらめきを妨げるのは制約、思い込みだ。制約は標準的な環境でうまく働くが、ひらめきを要するような場面になるとそれは妨害的に働いてしまう。そこで何度も失敗を繰り返す。もうまったく進歩の見込みがないと諦めたくなる。しかしそれはボンクラな意識の生み出す誤解である。働き者の無意識はそこから多くのことを学習し、制約の緩和を進めていき、ついにひらめきに至る。」

(中略)

この無意識の学習システムがうまく働くためには、試行の多様性が必要となる。

(中略)

またひらめきは虚空の中で生じるわけではない。身体を用いた行為を通して、環境に働きかけることがとても重要だ。行為を通して環境を変化させ、(必ずしも役に立つとは限らないが)新しい情報を得ることが私たちの内部状態を変化させ、制約の緩和を促進させる。

(中略)

インパス(注:行き詰まり)の時点での失敗の多様性が高ければ高いほど、緩和は進む。

(中略)

失敗を含めた経験抜きに、ある方法を使ってクリエイティブなんてことは起こらない

(P137−138)

フィルター機能としての制約は、必ずしもネガティブなものではないけれど、ひらめき創出においては、フィルターが蹴ってしまうもの、通常選択肢としてやらないことの中に解が存在するので、〜なければならない、〜はずだという制約を緩和させたいわけです。

制約を緩和するには、失敗を重ねること。試行錯誤をすること。どんどん枠が外れて、あまりやらなかったような組み合わせ方の出現頻度が高くなるから、適切な接続の仕方が偶然になされて、ひらめきが得られる、ということなのです。

失敗万歳なのですよ。失敗した=自分に価値がない、などど自分に呪いをかけている時間がもったいないのです。

私たちは、長期スパンでの大変化の途上にあります。
学校のお勉強のような、問題が与えられ、一つの正解が存在し、その正解を知り教える人がいる、という環境の方が稀だということでもあります。
望ましい状態と現状の不一致に対して、全身を使って、何が問題なのかを見出し、ルートを複数みつくろい、失敗という揺らぎを経て、人や土地等の環境との相互作用による影響を受け取りながら、小さなひらめきを得て、生きていくのです。

地味だと感じるかもしれませんが、人間はこうやって、人生をクリエイトしていくのだと思います。

変化を望むなら、ひらめきたいなら、試行錯誤という種をまこう。そして働き者の無意識を信じよう。

2023年の試行錯誤を経て、もう一段階、「あ、やっぱそうだよね!」と自分の内側の理解が深まったわたしも、これまでとはちょっと別方向での試行錯誤を頑張ります。

あなたは、どうなさいますか?

もしあなたの心に響いたのなら、嬉しく思います。

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