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生きた証とは

心にうかんだこと

生きた証を求めていたときがありました。

名を残す。とか。
子孫を残す。とか。

やたらと証を欲しがりました。

証さえあれば、自分の人生は満たされて幸せなのだと。

外側の評価=自分の価値だという思い込みの上に、
さらにそんな思い込みを被せていたように思います。

月日が経過して随分変わりました。

そもそもなぜ
肉体を離れてまで
後世に足跡を残したいと望んだのか。
遺伝子のなせる業なのか。

何だかよくわからないな。
と感じるようになりました。

いわゆる生きた証を残せなくても、
生きていてよかったと思える瞬間をたくさん過ごしていくことで、
自分の人生は満たされるし幸せじゃないか。
そう思えるようになりました。

さらに、
人は生きているだけで生きた証を残し続けているんじゃないか。
そんな風に感じるようにもなりました。

想いが伝わっていくこと。
これも生きた証なんだ。
そう感じるようになったんです。

将来の進路をうっすらと描く時期になった姪っ子と、
未来の自分を縛り付けずにやりたいことをみつけていく大切さを、こたつに入ってみかんを食べながら話したこと。

ヒストリーの棚卸しに共に取り組む人たちに、
どんな占いをしていきたいと思っているか、文字や言葉で伝えたこと。

あ、自分がやりたいことって言葉にするとこういうことだったんだ!って思える表現がみつかったかも!!という喜びが寄せられたり。

占いに興味がなかったけれど、あなたのヒストリーを読むだけで、占いへの認識が変わったし、価値が高い仕事なんだと思った、と言っていただけたり。

想いを残そうと意図するのではなく、
ただ伝えたいと思って放った言葉が人に届く。

届けられたその人の中で、想いが生き続ける。

たった一言の「ありがとう」にすら、
いや、言語だけではなく、
人前で流した涙ですら、
客間に生けた花ですら、
想いが宿って伝わっていくのですよね。

その伝えられた言葉や想いは、
美しいものだけではないかもしれない。
それでもやはり、
その想いは誰かの生きた証なのだと思わざるを得ません。

時に誰かの想いを、
まるで自分の想いであるかのように錯覚し、
ふりまわされてしまうこともあるから、
それは自分の中で整理しておく必要があるけれどね。

重かろうが軽かろうが。
生きた証を交換し合いながら、
わたしたちは生きているんだなと思います。

いわゆる生きた証を残せなくても、
生きていてよかったと思える瞬間を
たくさん過ごしていくことで、
自分の人生は満たされるし幸せ。

人は生きているだけで、
想いによって生きた証を残し続けている。

これがいまわたしが思う「生きた証」です。

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