日にち薬。

日にち薬。
こんな言葉を知りました。

月日の経過が薬の代わりになるよ。
時が解決するよ。
時間が経てば癒えるよ。

直接このように説明してもいいのだけれど。

「きっと日にちぐすりが効いてくるからね。」

柔らかく染み込んでじんわりする。
素敵だとおもいました。

四季がある日本では
たとえ都会に住んでいたとしても
たとえ部屋の中から出られなくなったとしても
窓から時の移ろいをふと感じることがあります。

差し込む太陽の光の加減や
風の薫りや
人々がまとう衣装の重ね具合や色

同時によみがえってくるあの頃が
あの頃の意味が
いまの自分の中で少しずつ変わっている。

そう気づくたびに
日にち薬が効いていく。

歳を重ねるたびに
日にち薬が満ちていく。

これほど人に優しく平等な薬があるでしょうか。

時制があるからこそ
人間であるからこそ
受け取ることができる。

それが「日にち薬」なのだとおもいます。

おはようございます。
きょうもあなたに日にち薬が満ちていきますように。

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