百日紅と名付けた人とは気が合いそうだな。夏から秋にかけて雄弁に咲く百日紅(サルスベリ)を目にするたびに思っていました。
7月からずっとずっと、ピンク色の花姿がそこにありました。一本の百日紅の前に住宅街の全色彩が背景と化す。そんな存在感。台風の後も、散らした花びらの上で、まだまだこれからと言わんばかりに次々と咲き誇るピンク色。真夏の太陽と青空に映えに映えていました。
ピンク色には〇〇な効果があってね。。。と野暮なことはここでは申しません。ただ、春の桜とはまた異なる、夏の百日紅のピンク色の力というものがあると思います。濃さの違いもありますが、面ではなく点で感じるピンク色といいますか。。。伝わるかしら(笑)とにかくわたしは、この百日紅にとてもとても勇気づけられていました。
10月に入って、少しずつ勢いがなくなってきたことはわかっていました。そしていよいよ、葉を落とす時期が近付いているようです。
ああ、来年、また百日咲くための、大切な時期を迎えようとしているのだなあ。枯れゆく姿にも感じ入ってしまいました。枯葉と共に咲く花もまた愛おしい。恥ずかしくないよって声をかけたくなる。
なぜこれの写真を撮っているの?と言いたげな表情の小学生が見つめていました。
そうだね。不思議だよね。そうだな。30年、いや、40年くらい経ったら、このおばさんの気持ちがわかるかもしれないね。美しいと思う心でみることができれば世界は変わるよ。何年かけてもいいから、わかってもらえたら嬉しいな。その時が来るまで元気でいるんだよ。百日紅あなたもね。
秋の昼下がりのことでした。