こんにちは。
今週は、気温が乱高下する予報が出ていましたよ。
数日間で、4月から7月の気候を経験すると。
心身にちょっと負担がかかりそうですね。
自分も他人もいたわりながら過ごしたいですね。
この週末、お香をチェンジしました。
お香ってすごく魅力的で、
旅先で気に入ったものがあると、
つい買い求めてしまうのです。
香りはもちろん、
ストーリー、ネーミング、
パッケージなどのすべてが、
一体感をもって、
心に響きわたる瞬間があって。
香りってすごいなあ。
シンプルにそう思えるのです。
数年前まで、
神社仏閣にもよく訪れては、
オリジナルの香を探したものです。
引き出しを開けて、
ぱっと目についたのがこれ。
いつだったかしら。。
4年ほど前かなあ。
奈良の唐招提寺で買い求めたお香。
未開封のままでした。
蓮の花って、すごく好きなのです。
ちょうど、蓮の花が美しい季節。
さっそくきいてみたら。。。
まあ、なんて奥ゆかしい。。。
スパイシーさをうっすらとまとった、
甘い残り香。
「唐招提寺に咲く蓮の種子を練りこんだお香です。」
そそられます。
いろいろ調べたくなりました。
唐招提寺の蓮が有名なの?
「安息香」ってなんだろう?
二つを調べる過程で、
遣唐使時代、中国、シルクロード、イラン、ローマ、、、
時と場所を越えた世界に、
わたしのこころは、一瞬で飛んでいくのでした。
そう。
香りを変えたら、心が旅をしたのです。
では、わたしの心の旅に、
すこしお付き合いくださいませ。。。
聖武天皇の求めに応じて、
仏教の伝戒のために、
中国から日本に渡ろうとして、
12年間で5回失敗。
失明を経て、
6回目でようやく、
日本の地を踏まれた方でしたね。
唐招提寺の蓮は、
その鑑真和上が、
自ら携えていらっしゃったもの。
その種を練りこんでいるお香なのです。
そしてそもそも。
日本に、多くの香薬と配合をもたらしたのも、
鑑真和上なのですって。
仏教では、香りを供えますものね。
唐招提寺の蓮のお香は、
苦難を越え、波を越え、
海を渡り、花開いた文化の象徴なのですね。
そして「安息香」。
「安息」。
大好きで大得意だった科目は「世界史」。
そんなわたしは、パルティア??
と想起してしまいます。
シルクロードの交易地に栄えたパルティア。
イラン系遊牧民の国家で、
古代ローマ帝国と国境を争いました。
パルティアの中国名が、安息なのです。
え、安息香って、パルティア由来なの??
ちょっと違うようです。
原産地は東南アジア。
ツツジ科の樹脂からとれるお香。
樹脂という点は、
乳香(フランキンセンス)、
没薬(ミルラ)と同じですね。
古代文明のほとんどで使われていたのは、
悪霊を追い払う力を持つとされ、
宗教儀式に使われたからのようですね。
なぜ「安息香」の名が使われたのか。
・パルティアで使われていた香りと似ている。
・諸邪を安息する効能がある。
・呼吸を落ち着かせてラクにする。
ぱっと調べた限り、このような説がありました。
きっと、どれも正しいのだろうなあ。
宗教から追っていくと、また興味深いのです。
パルティアの宗教は、ミトラ教。
ミトラ教と言えば。。。です。
クリスマスの由来を調べたことがある人は、
ご存じでしょう。
ちょっとマニアックすぎるので、
お香のお話をしているきょうは、
ここで止めておきます。
安息香は、ほかの香りとブレンドして、
香りを長くとどめるためにも使われるようです。
全体的に「落ち着かせる」という役割をもったお香ですね。
最後にちょっとしたまとめとして。
人の想いとか、信念というのは、
暴力で抑えつけられないなあ、
物理でせき止められないなあ、
と常々おもっています。
香りというのは、ひょっとしたら、
文字にできない思いや信念を、
後世に伝える役割があるのかもしれません。
縁があって、受信できたひとにだけ、
伝わっていくものが、
この世の中にはたくさんあるのだろうなあ。
つくづくおもいました。
香りを変えたら、
あなたの心も、旅をするかもしれませんね。
わたしも、このお香から、
何かを受け取ったのかもしれません。
それが何なのかは、
もう少し後になって、
きっとわかることなのだろうとおもいます。
わかったら、またブログに書きますね。