何でも変えたがり屋さんがいたな。
と思い出しました。
定期異動がある職場にいたときのことです。
ピラミッド型の組織で、幹部が数年で転勤異動し、スタッフは原則転勤がないところ。
スタッフたちのモチベーションを下げたり一体感を損なう幹部の特徴がありました。
それが「何でも変えたがり屋さん」です。
「とにかく何でも変えればいいと思っている。」ということです。
「間違っている」のではなく「今まで自分がやってきたスタイルと違う」だけで変えたがる。
現場の実情がどうなっているか、丁寧に拾い上げないんですね。
スタッフの人たちこう言っていました。
「自分の命令で変えさせれば、自分が仕事した感が出るからね」
青々としたひよっこのわたしには、非常に衝撃的でした。
「仕事した感」のためなの?まさかそんなはずはないでしょう?
そう思いつつも、
現にスタッフさんたちが、ため息交じりにこう言っていること自体が、
とても由々しきことだと感じました。
いきなりやってきて、いきなりダメ出しされたら、
一生懸命やってきたスタッフは怒ったり落ち込んだりしますよ。
中でも非常に筋が悪いのは、
一部のお気に入りスタッフの非公式の場(飲み会)での意見=スタッフ総意のように扱うパターン。
スタッフ間で分裂し、派閥のような雰囲気ができてしまい、一体感は損なわれます。
そして彼らの最たる特徴は、とっても世渡りが上手だということ。
「◎◎を△△に改善しました」と胸を張って自己評価します。
「そうかそうか、よくやってくれた。」と机の上で査定する○カ上司のおかげさまで、
自己評価が人事評価にそのまま反映されてしまう=出世するという悲劇が起こるのは、
珍しいことではありませんでした。
えーひどい!!
青々としたひよっこのわたしは、
こういった理不尽に片っ端から怒りを抱いていたので大変でしたね(笑)。
いま振り返って思うのは、
「何でも変えたがり屋さん」は、捨てる勇気はあっても、捨てない工夫をしないのですね。
捨てない工夫という発想自体ないかもしれません。
そういえば、空前の断捨離ブームでも、どちらかといえば、捨てる勇気がクローズアップされていませんか?
捨てない工夫、例えば、なんでも丁寧にお直しして使うことに対し、
古いもの・壊れたものは運気が下がるのでどんどん捨てましょう、と言い放つ。
なかなか捨てられない人に対して、ある程度のリーダーシップをとることは大事でしょうが、
事情をよく聞かずに、捨てろ一辺倒のアドバイスをすることは、
上記の「何でも変えたがり屋さん」とそう大きく変わらないと思うんですよ。
たぶん、「何でも変えたがり屋さん」のエピソードを聞いて、
誰もが「えーひどい」と思ったのではないでしょうか。
そんな「何でも変えたがり屋さん」になっていないかどうか。
相手の事情を鑑みず「仕事した感」を出そうとしていないか。
自分がアドバイスをさせていただく際の指針として持ち続けたいなと思っています。