突破口は数メートル先にある。
やってみるとわかる。
ということについて語ります。
「突破口を探すには視点を変えてみよう。」
「俯瞰してみよう。」
これ頭では理解できても、
なかなか身につかないなあー
と感じることも多いですよね。
BigBoss新庄監督の、
プロ野球選手としての現役時代のエピソードに、
そんなモヤモヤを吹き飛ばすヒントが、
あるように思うので紹介しますね。
彼は打者です。
バッターボックスに立ちます。
守備もします。
サードだったりセンターだったり、
とにかく守備位置に立ちます。
ある年のキャンプ。
就任したての野村監督が彼にさせたこと。
それは。。
「投手」でした。
本人が先に言い出したのか
監督の指示なのか
それはどちらでもいい。
とにかく「投手」をやってみたということです。
いつも、自分の数メートル先にあった
「反対側の」「敵側の」ポジションに、
おのれの肉体を立たせたということです。
そうやって得た彼の気づきは珠玉です。
記事から抜粋してみます。
「投手って考えている以上に難しいですね」
「どういうことだ」と野村が新庄に訊ねると、
「ストライクをとるのって、簡単ではないですよね。
思い切って投げるとコントロールがバラツキますし、
コントロールを気にしだすと今度はスピードがなくなってしまう。
コントロールよく全力で投げるのって、
相当の技術が必要なんじゃないかってことに気がついたんです」
と答えた。「そうだろう。お前さんが打席に立っているとき、
相手の投手もそう考えてマウンドに立っているんだぞ」新庄はうんうんとうなずきながら黙って野村の話に耳を傾けていた。
相手投手の心理状態を説明することで、
「打席に立ったとき、自分も苦しいが、
相手投手は自分と同じかそれ以上に苦しんでいる」ということを、論理的に理解することができたのだ。
彼はこのキャンプを経て、躍動するのです。
特別難しいことをしたわけでも、
誰かの唱える難しい理論を、
読んだわけでも、聴いたわけでもないんですよね。
数メートル先とはいえ。
いつもと全然違う立ち位置に、身をおいてみた。
やってみた。
そう。
経験は自分にしかできない。
経験をした自分にしかつかめない、気づきがある。
学びがある。
気づきを経ているから、
監督の言葉も素直に受け取ることができる。
自分の体験だから、
納得もできて自分の糧になる。
突破口とは、
派手なものではなく、
論理的なものではなく、
案外地味な、
やろうと思えばすぐできる、
「やってみた」の積み重ねがもたらす、
「わかる」という感覚、
そのものなのかもしれませんね。
あなたの突破口も、
案外近くにあるのかもしれませんよ?
近くにある、反対側のもの。
探してみましょう。
売る側なら、お客さまになってみる。
買う側なら、売る側になってみる。
とかね。
どなたかのお役に立ちますように。
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